VET JO「ベトナムニュース」2016年6月7日配信分より
ベトナムに進出する日系企業の勢いは衰えを見せることなく、順調に増加しています。
中国から生産現場を東南アジアにシフトする日系企業が、傾向として最近多いように感じます。
そんな中、やはり現場を任せる日本人スタッフの需要は高い。
しかし、ベトナムにいる日本人を現地採用者として雇用したとしても。スキルが追いつかないケースが多く、どの企業も日本人現地採用者の欠乏感が拭えません。
同じように、ベトナム人の出来る「シニアレベル」の人材に対する需要が同様に高まっています。
が、これも日本人現地採用者と同じく希望に見合う人材の供給が追いついていません。
その結果、「上級管理職」への給与額が高騰しています。
求職求人サイトのジョブストリート(JobStreet)がこのほど発表した給与に関する調査結果によると、現在の上級管理職の平均月給は前年同期に比べ+53%上昇しており、その平均月給を業種・職種別で見ると、最も高いのは不動産の1億2950万VND(約63万2000円)という結果でした。
上級管理職の平均月給の高い業界トップ10は以下の通り。
◇1位:不動産 平均月給1億2950万VND(約63万2000円)
◇2位:マーケティング 同6610万VND(約32万2000円)
◇3位:情報技術(IT)・コンピュータ(ハードウェア) 同6300万VND(約30万7000円)
◇4位:ロジスティクス(サプライチェーン) 同5510万VND(約26万9000円)
◇5位:セールス 同4970万VND(約24万2000円)
◇6位:人材マネジメント 同4380万VND(約21万4000円)
◇7位:顧客サービス 同4000万VND(約19万5000円)
◇8位:小売 同3620万VND(約17万7000円)
◇9位:弁護土・法律サービス 同3510万VND(約17万1000円)
◇10位:銀行(金融サービス) 同3360万VND(約16万4000円)
ベトナムの管理職及び高級管理職の収入は、周辺諸国とくらべ大分追いついてきている。
管理職及び高級管理職に限った場合、東南アジアの列強2国との比較をすると、
- シンガポールの4分の1
- マレーシアの2分の1
くらいだとお考えください。
あくまでもこれは「上級管理職」のお話。
一般的なベトナム人労働者の平均月給はまだ低く、
384~582USD(約4万1900~6万3400円)。
これは、
- インドネシア(397~571USD=約4万3300~6万2200円)とほぼ同じ
- フィリピン(502~725USD=約5万4700~7万9000円)の3分の2
- マレーシア(959~1417USD=約10万5000~15万4000円)の3分の1
- シンガポール(2087~2927USD=約22万7000~31万9000円)の6分の1
に留まっています。
安い労働力を求めて世界からベトナムに外資企業が進出している理由をご理解いただけるかと思います。
例えば新卒者で比べて見ると、平均月給はベトナムが250~387USD(約2万7300~4万2200円)。
それに比べシンガポールは1337~1879USD(約14万6000~20万5000円)、まだ大きな差があります。
しかし、この人件費の差こそベトナムの売り。
この安い人権費を求めてたくさんの日系企業が進出を検討されています。