2025年初頭のマレーシア不動産市場、供給拡大とインフラ強化で中長期に前向きな展望

マレーシア不動産市場は2025年第1四半期、取引件数が前年比6.2%減少するなど一部調整が見られましたが、これは過去7四半期連続の成長に対する自然な市場是正とみなされています。住宅市場は取引全体の60%以上を占め、約6万件、総額245億リンギット分の取引が行われました。

特に注目されるのは、新築住宅供給の活発化。建設中ユニットは前年比32%増加、新規住宅プロジェクトは前年比2倍の12,498戸に達しています。また、サービスアパートメント部門では新規着工数が170%増と大幅な回復を示しています。

クアラルンプールなど都市部のオフィス市場でも稼働率が改善。KL中心部ではグレードAの新築ビルがESG基準を満たし、ハイブリッドワーク対応の需要を取り込んでいます。一方、ジョホール州やセランゴール州では、物流施設やデータセンター需要の増加により工業用不動産が堅調。MicrosoftやGoogleなどの大手企業による大規模投資も進行中です。

課題としては43,000戸以上の未販売住宅が存在することや低価格帯住宅へのニーズと供給ギャップが挙げられますが、政府はRent-to-Ownや補助政策で対応を進めています。

地域別では、クランバレー、ペナン、ジョホールが最も魅力的な投資エリアとされており、特にジョホールではシンガポールとの経済特区構想(JS-SEZ)により商業ハブ化が進行中です。さらに東海岸鉄道計画(ECRL)も年内に90%完成予定で、地域間の接続性が大幅に向上します。

全体としては供給主導型の調整局面にありつつも、デジタルインフラや産業施設を軸に中長期では高い成長ポテンシャルが見込まれる市場となっています。

▼出典
https://www.klpropertytalk.com/2025/06/adjustments-seen-for-the-property-market-in-early-2025

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