ナイトフランク・マレーシアの最新レポートによると、2025年前半(1H2025)のマレーシア不動産市場は、産業・オフィス・小売・観光・住宅の各分野で安定成長を維持しました。成長を支えたのは、**総額RM1,636億(約350億ドル)のデータセンター投資(2024年実績)**や、東海岸鉄道(ECRL)やジョホール・シンガポール特別経済区(JS-SEZ)などの大型インフラ整備です。
ジョホール・ペナン・サバが産業成長の中心地として浮上し、サラワクではグリーンテクノロジーパークへの関心が高まっています。クアラルンプールでは倉庫4.2百万平方フィート、オフィス2百万平方フィートの新供給が見込まれ、ジョホールバルではオフィス賃料が上昇するなど、需要の底堅さが確認されています。
観光回復も続き、2024年は訪問者数2,500万人、観光収入RM1,022億を記録。サバとサラワクは目標を上回る集客を達成しました。住宅市場は地域差があり、ジョホールが取引額14%増と堅調、クアラルンプールは価格3.2%上昇も取引8.7%減少で高層物件の供給過多が懸念されています。
今後はESG基準やライフスタイル志向開発が市場を再編し、投資家は長期的な価値に注目する動きが強まりそうです。