外国人投資家が取引を成立させる中、ベトナム不動産市場は過熱

ベトナムの不動産市場は、外国企業によるM&A(合併・買収)を通じて活発化しています。2025年前半には、シンガポールのCapitaLandがBecamex IDCから5億5300万ドルでプロジェクトを取得したほか、住友林業・熊谷組・NTT都市開発がKim Oanhグループと共同で「The One World」プロジェクトを推進、さらに西日本鉄道がNam Long社のParagon Dai Phuocプロジェクトの25%を取得するなど、注目の取引が相次ぎました。

Grant Thornton Vietnamによると、2024年8月施行の改正土地法が透明性を高め、市場回復を後押ししています。また、Savillsのグエン・レ・ズン氏は、政治的安定や多国との良好な関係により、ベトナムが国際企業にとって「戦略的拠点」として注目されていると指摘。欧米の投資ファンドはESG基準を重視し、法的に明確な案件への投資を好む傾向が強まっています。

今後は「友好的M&A」による長期的な協力関係の構築が主流となる見通しです。一方で、土地法や投資法などの重複した法制度が依然として投資障壁となっており、紛争解決手続きの不透明さも課題とされています。専門家は、国内企業が資本提携を求める際には、資金だけでなく技術やブランド力を持つ戦略的投資家を選ぶべきと助言しています。

▼出典
Property market heats up as foreign investors close deals – VnExpress International

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