マレーシア南部ジョホール州の不動産市場は、2025年上半期にRM560億(約1兆8,000億円)規模の投資を集め、大きな成長を遂げました。成長の主因は、ジョホール・シンガポール特別経済区(JS-SEZ)、高速鉄道(RTSリンク)、自動運転バス(E-ART)、および**クアラルンプール~ジョホール・バル間の電車(ETS)**といった大型インフラ事業です。
オリーブツリー・プロパティ・コンサルタンツのCEOサミュエル・タン氏によると、これらの開発はジョホール州の住宅・商業地価を平均20%押し上げ、特に交通ハブ周辺で顕著な値上がりを見せています。サービスアパートメントの価格は1平方フィートあたりRM800からRM1,200に上昇し、商業地の土地価格も同水準へと高騰しました。
一方で、住宅の供給過多は徐々に解消しており、未販売のサービスアパートは2024年末時点で約11,800戸に減少しました。ただし、タン氏は「投機的活動や不透明な販売手法、開発業者の未熟さが依然としてリスク要因」と警告。市場の健全性維持にはデータ主導の計画や手頃な住宅支援策が必要と述べています。
また、PropertyGuruのリー・ナイ・ジア氏は、「シンガポール人購入者が市場を支えている」と指摘。特に永住権を持つマレーシア人や、教育・老後目的で移住する家族層が目立つとしました。
両氏は共に、ジョホールの成長は持続可能性と透明性の確保にかかっていると強調しています。
▼出典
Johor property market booms on RM56bil investment surge, mega projects

